天使のような微笑で
 寒さが身にしみる。
 本格的な冬がやってきた。

 三枚目のシングルが発売された。

 実はこのシングル。
 俺の彼女への想いを少し織り交ぜながら書いた詞だ。

 伝わるなんて思っていない。

 俺が君に感謝を込めた歌だなんて。
 思いもしないだろうし。

 ただ、少しでも元気になってくれたら。
 純粋にそんな事を思う。

 この気持ち。
 一方通行にも程がある。

 ちょっと・・・いや・・・。

 かなり滑稽だ。

 まるで片思いをしているみたい。

「んっ?」

 そう言えば何だかんだ言ってこの一年。
 顔も本名も知らない彼女の事しか考えていなかった。

「・・・え・・・」

 まさか・・・ね。
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