天使のような微笑で
 時々、メールが受信されて、俺の敬愛するバンドの着うたが流れる。
 ドキドキしながら送り主を確認するが、全てバンドメンバーだったり友達だったり。
 失礼だとは思うが、がっかりしてしまってため息混じりにメールを確認する。

 夜も更けて、そろそろ体力の限界。
 まぶたが重くなる。

 眠ろうかとパソコンの電源を落とし、ベッドに潜り込む。
 明日は午後から仕事だから、少しだけゆっくり眠る事が出来る。

 明日も仕事だし。
 こんな疲れた顔は誰にも見せられないし。
 テンション上げてファンの子達の前に立ちたいし。

 もう、ウジウジ考えるのはやめて早く眠ってしまおう。

 所詮、住む世界が違う訳だし。
 俺が早くに告白してしまえば良かったんだ。
 怖がっていたからこんな事になってしまったんだ。

 考えるのは、やめよう。

 もう、あきらめてしまおう・・・。

 部屋を暗くすると、すぐに睡魔が襲った。
 トロトロと現実と夢の狭間をさまよう。
 
 暗闇の中、着歌が流れている。

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