天使のような微笑で
 まだこんな中途半端な段階で話す訳にもいかない。
 まだ一度も会った事ない女の子を好きになったなんて変に思われるだろうし・・・。

 気を取り直して、曲作りやらコンサートの話を続けた。
 
 まだまだ俺達は始まったばっかり。
 俺たちが憧れる先輩達は、10年20年と音楽活動を続けている。
 
 俺達にとって音楽は、生活の中にあるのが当たり前で、音楽が無い生活なんて考えられない。
 それくらい大切なもので、これから一生付き合っていきたい存在。
 だから、ずっとずっとこのまま。
 死ぬまで唄い続けたい。

 それには、みんなの心に響く詞と感じる音を作り上げていきたい。

 格好つけてるけど、心の底からそう思う。
 そうじゃなくちゃこの先ずっと音楽を続けていかれないと思うから。

 曲作りを再開すると言ったメンバーをスタジオに送り届けた。

 俺は、他のメンバーとスケジュールが少し違っている為、自宅で詞を書く事が多い。
 本当だったら、今日も詞を書くために家に直行なのだが。
 今日はキャンセル。
 
 車を路肩に寄せ停車。
 彼女にメールした。

 

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