天使のような微笑で
「・・・現実ですか・・・?」

 彼女は俺の顔を真っ直ぐ見つめた。
 が、すぐに逸らされる。

 真っ赤になってうつむいた彼女の顔がとても可愛い。
 ついでに、目は潤んでいる。

 抱きしめてしまいたい気持ちを抑えた。
 その前に言う事があるだろ?

「現実だよ。俺は、現実にしたかったからどうしても君に会いたかった」

「信じられない・・・」

 彼女の目から涙があふれ出す。

「俺が騙していると思う?」

 顔を手で覆い、頭を振る。

「だって、だって・・・」

「メールでも伝えてきた気持ちは本当だよ。この一年間ずっと君の事ばかり考えてた」

 すぐ側にいるのに、触れる事さえ戸惑ってしまう。
 彼女が泣くなんて・・・。
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