天使のような微笑で
 呆然としている俺に気が付かない彼女は、バックからハンカチを出し涙をぬぐっている。
 そして、呼吸を落ち着かせているのか、肩で大きく深呼吸をしていた。

「私、あなたとのメールすごく楽しかった。本当に嬉しかった」

 俺の顔を少し腫れた目でじっと見つめる。

「お、俺!?」

「はい!」

 今日初めてニッコリ微笑んでくれた。

「でも立場が違い過ぎ・・・それにメールだけだったから非現実的」

 う~ん。
 どうすれば信用してもらえるんだろう・・・。

 自分の気持ちをぶつけて、それで、相手も俺の事を好きで。
 それでOKじゃん?

 とか思うのは、無理があるのか?

 頭の中でグルグルといろんな考えが浮かぶけど、やっぱりたどり着くのは自分の気持ち。

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