ハンカチ落としましたよ

天気と転機

結婚して
一年後に
長男が生まれ、

その3年後に長女、

そしてその3年後に
次女が生まれた。

ごくごく
平凡な生活だった。


彼女から
妻に代わっても、

彼女はなにも
変わっていないと思うが、

むしろ
タカシの方が

貫禄が出てきたの
だろうか?



父親らしく
なってきたかも知れない。



長男が
中学1年生のときに

妻の祖母が亡くなった。

その後妻は


「小さくてもいいから
仏壇が欲しいの」

と言った。




まあ、

家族も5人になったし、


これからのことを考えると

まあ、あっても
おかしくないなあと
思いながらも、

親ならわかるけど、


ばあちゃんでも
やはり仏壇が
欲しいと
思うのだろうかなあ?

と考えながらも

「いいよ」

と返事をした。



妻は、
出会いから
すでに
奇跡的なことの
繰り返しで、

結婚後も

その傾向は変わらず

預言者として
タカシの家族を

守っている
存在であるから、

タカシもその辺は
認めていた。

家族旅行で

潮干狩りに
行こうとしたら、

「今日はやめましょうよ」

と突然言い出すから
子供達は怒り出して

「え~~?楽しみに
していたのに~」

という始末。



妻は

「それなら、
海じゃなくて
山に行きましょう。」

ということで、

海に行く予定が

秩父へ行くことになった。



子供達も

最初は
不平不満を言っていたが、

いざ秩父に行くと

子供達は
それなりに
楽しんでいたので
良しとするか。


その夜のニュースで、
その日
潮干狩りに行く
予定だった海岸で

貝の毒素が発見されて
立ち入り禁止となった
旨の報道が
なされていた。


妻はこれを
知っていたのか?



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