唄を聞かせて
俺は君を必要としています。

「好きだ」とか「愛してる」なんていう甘いもんじゃなくて、もっと深く暗いところで君を呼んでいる。

そんな俺に微笑んでくれるみきちゃんが、何より大切だよ。


君が俺の名前を呼んでくれたら、きっと俺は君を見つけると思う。

どんなに遠くの地にいても、いつか巡り合える。そんな希望を持って俺は去ろうと思います。

あっ、でもやっぱり、この土地にいてくれた方が探しやすくていいな、なんてそう思うのは我儘だろうか?


ただ、勘違いしないで欲しい。

俺は君を縛りつけたい訳じゃないんだ。

だから、この手紙を読んだら一度俺のことはきっぱりすっかり忘れてください。心の片隅にも置かなくていいから。俺の存在なんて消してしまっていいから。

だから、だからもし、また逢えたなら、その時は… うん。

その時はまたよろしくして欲しいな。



それじゃぁ、またいつか。




         後藤 卓』
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