秘密のカンケイ

先輩が普通に接しようとしてくれているから、わたしも…


みんなは知らないし、ここで普通にしなきゃ先輩の後ろにいる水泳部の先輩に不審に思われる。



「久しぶりじゃないですか。卒論進んでるんですか」

自然に、普通の話題を。


「それに先輩…、引退して太ったんじゃないですか」

手を伸ばして先輩のお腹に手を当ててガッカリしたように言った。




「おまっ、人が気にしてることを」


触るな触るな、と少し怒ったようにわたしの手を優しく振り払う先輩がわたしの大好きな快斗先輩だと思えた。

その姿に心から嬉しくて頬が綻んだ。



そして先輩も。




よかった、先輩。


やっぱり先輩がわたしの大好きな人でよかった。



先輩、大好きです。

でも、可奈さんを大切にしてる今の先輩が前よりももっと大好きです。


先輩のその幸せそうな表情に幸せを感じられるから。


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