秘密のカンケイ

「さくら…おまっ、どうして」

どうして?

…どうして。

そんなのこっちが聞きたい。



あんたの気持ちは本物だと思った。

だから応えたいって思った。


だから先輩とも奏さんとも会えたのに…



あんたの気持ちって、一体、…なんだったの?




花畑だった頭の中が一瞬にして枯れ草の集合体になり、そして、色を失うように真っ暗になった。

目の前の人物は会いたくて会いたくて仕方なかった人なのに、気がつけばおどおどしたちっぽけな人間に見える。

あんなに会いたいと思った人とは思えない程、だらしなくてキタナイ人間に思える。


あんたの今までの行動、言葉が一瞬にして否定されたようなこの光景に何も言えない。



ただ一つ分かるのは、あんたの相手はわたし一人じゃなかった。

結局寂しいから一人はイヤで、結局相手は誰でもいいんだなってわかった。


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