秘密のカンケイ
2年前のあの後のこと少しだけ説明すると、
まぁわたしは泣いて帰りました。
ハルが追いかけてくれて、嬉しかった以上に信じられなかった。追いかけてきたのも上手くわたしを手のひらで転がすためじゃないのかとか、いろいろ考えてた。
こんなこと考えるとか本当に意地が悪いし、何様だよって感じだけど、そんなことあの時には思えなかった。
ハルが弁解してたけどあんまり覚えてない。
ただ、わたしが“もう関わらないで”って吐き捨てたのは覚えてる。
茜のことは奏さんから聞いた話なんだけど、優斗とは1週間もしないうちにちゃんと理由を説明して別れたらしい。
優斗は茜のこと好きだったの知ってる分、その悲しみに共感できた。茜のこと信じてたからハルとの関係を信じられなかったらしい。逆に好きじゃなくても傍にいてほしいってすがったくらい。
でも、茜が最後に一言“優斗のこと一生好きになれない”って言って、優斗も脱力した。
わたしは別れて3日目に優斗を訪ねた。結果として茜と別れさせることになってしまって謝りたかったから。
優斗は泣いた。好きだと泣いて、帰ってきてほしいと泣いて、傍にいてくれるなら利用されててもいいと泣いた。
こんなに弱かったのかと初めて知って、あの元気のよさはきっと偽りだったんだと悟った。
茜は元気で明るくて活発な人がタイプだった。ハルに当てはまる。
そのことを知って、優斗は頑張ってたんだ。でもそれはメッキだったから剥がされたら弱くて涙もろい人だった。
思わず抱き締めてた。