秘密のカンケイ
陽が沈み、辺りは光を失い暗くなってくる。外灯や家、店なんかの明かりを頼りに夜道を歩いた。狭い道だし住宅街だから車もあまり通らない。
だから煩い騒音なんてないから住みやすそうな場所だけど、間違いなく道を選び損ねた。
こんな静かな場所だと余計に気まずい。二人の足音とかたまに聞こえてくる家の中の音とか、いつもなら気にならないものも無言のわたしたちからしてみればどの音も耳を刺激するのに値した。
何かあればいつも来る公園。
いい思い出ばかりじゃないから子どもができたときには来ないようにしようと思う。良いことが起こりそうにもないから。
そんな中公園について、迷わず青いベンチに座る。
いつも座ってる場所。
そして最近できたばかりの白い木製のベンチにハルは腰をかけた。
こうして少し離れて、でも近くに座るなんてあの頃にもこの1年の間にも考えることができない。
だってあの頃なら間違いなく同じ青いベンチに座ったよね。
ここ最近じゃ、近寄ることすらあり得なかったのに。
でもこの離れた距離が今のわたしたちの距離でもあるね。
もう隣には座れない。
近づくことなんて…、ない。