秘密のカンケイ

好きな人が出来たわけではない。

だけど、そうでも言わなきゃ前に進めない。


ハルは諦めてくれない。



好きじゃないけど、愛おしいって感じでもないけど、わたしの中でハルはとっても大事な人だったよ。


いつかさ、またお互いに笑ってあんなこともあったよねって言えるようになろうよ。

そうしたらハルのこと、また大切な友達だって思えるようになってるはずだから。



今は無理だけど、だってハルのこと憎たらしいもん。

ほら、可愛さあまって憎さ100倍っていうやつだよ。


「ハルがさ、こうしてほとんど毎日待ってること知ってたけど、会いたくなかった。最初はただ許せないだけだったけど、今は好きな人のためなの。その人に勘違いされたくないから。って言って、今日ハルに会ってこいって言ってくれあのはその人なんだけどね。けじめつけたらちゃんと告白しようって決めてるの。だから…ハルもわたしのこと忘れて」

こんなにハルハルというのは久しぶりでなんかすごく懐かしかった。

それなのに、頭に出てくるのは優斗の顔で、すごく会いたくてしょうがない。


ハルが前に進めるのを祈るしか、わたしにできることはもうないよ。



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