秘密のカンケイ

休みってこともあって、ここ2年すごくお世話になってる人の家に訪ねた。

もちろん先にメールして了解を得てる。


「いらっしゃい」

そう言いながら玄関で出迎えてくれたのはすっかり主婦が板についた奏さん。


マタニティー服に身を包んだ奏さんのお腹はすでに膨らみが目立ち始めてる。

「今何ヵ月でしたっけ?」

そうお腹に手を当てた。


「明後日で8ヶ月」

嬉しそうに話す奏さんはお母さんって感じの優しい表情をする。最初だから女の子がいいって言ってたけど結局は男の子だったらしくて、でもそれでも待ち遠しいって言ってた。


奏さんと先輩は一応できちゃった婚ではない。強いて言えばできちゃってた婚かな?

入籍した次の週に妊娠が分かって、つわりが酷くなった奏さんを気づかって新婚旅行も延期した。


だからできちゃった婚とは言わないよね?


いつも通りリビングのソファーに腰をかけるとタイミングよく温かいミルクティーが出てくる。

今日来たのは今までずっと心配かけて、心配してくれてた可奈さんたちにハルのことを報告しようと思ってやってきた。



それに、…優斗のことも相談したかったから。


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