秘密のカンケイ

気がついたら夕方で外はすっかりと夕日の色に染まっていた。

それまでずっと奏さんとお喋り。もちろん内容は優斗の事。

別に好きだからこうしたいっていう話をしてたわけじゃない。

いつも通りの悪口って言ってもいいほどの内容。

鈍感だ、アホだって、奏さんからしてみれば同い年で幼なじみだけど、わたしからすれば優斗は年上で仕事場では上司。普通ならあり得ない。


もちろん時間なんて忘れて2人でいけしゃあしゃあと喋っていたけどチャイムと共にガチャっという玄関が開く音がして、

「ただいま~」

快斗先輩がリビングに入ってきた。



そこで驚いたのはもちろん二人とも。

快斗先輩が帰ってくるってことはもう夕方になってるってことで、こんな時間までお邪魔するつもりなかったし、可奈さんもずっと喋ってたから夕飯の用意もしてない。奏さんが出来てないならわたしも当然夕飯なんて出来ていない。


2人で顔を合わせて口をあんぐりさせていた。

快斗先輩に事情を話すと呆れたようにため息をはいて、「兄貴は?」そうわたしを見てきた。


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