秘密のカンケイ
好きにって思えば難しい。
どうしたら好きになってくれるのかも分かんない。
だけど、好きだもん。
ベッドに座って読書をしてる優斗に近づく。
ページをめくるその動作を見ながら、ベッドに片足を乗せて両手を優斗の足の横についた。
「だって、好きなんだから仕方ないじゃん」
そう優斗を見つめて、顔を近づけていく。
視線を唇に降下させわたしのそれをそっと触れさせた。
目を見開く優斗とは逆にゆっくりと瞼を伏せた。
この想いがこの触れ合いから伝わればいいのに。
そうしたらどんなに優斗が好きかわかってもらうことが出来るのに。
優斗の気持ちもわたしに伝わってくれればいいのに。
そうしたら優斗の望む女の子になれるのに。
もし、
茜になれたら優斗は好きになってくれるの?
茜に裏切られたけど茜みたいな子が優斗のタイプだったら、わたしにはなれない。
だって、茜はすごくすごく綺麗な子だから。
わたしにはどんなに努力したってなれないものもある。
茜のように綺麗にはなれない。
化粧だってしたことなくて、スカートだってあまり履いたことなくて、女の子らしさなんて感じられない。
そんなわたしが唯一誇れるものは人を好きになったらその人だけを想えること。
そんな単純なことだけ。