秘密のカンケイ

「ただいま…」

そんな呟くような声が玄関を開けるとともに静まり返った空間に少しだけ響く。


中から聞こえてくる慌ただしい足音。


それは一人じゃない。



泥棒!?

強盗!?

こんな時間に誰っ?




廊下の先にあるダイニングに続く扉が勢いよく開く。

やっぱり1人の足音じゃない。


「さくら」

わたしを呼ぶ声も一人じゃない。


だけど、血相を変えた3人の顔が現れたからすごく心配かけてしまったって思った。


すごく悪いことしてしまったって…



昨日と同じ服なのにヨレヨレになった格好で優斗が現れる。

お風呂も入らなかったんだって、ずっと待っててくれたんだって、不謹慎だけど嬉しかった。




「先輩、可奈さん、…優斗」

3人の顔を見て呼ぶと可奈さんがわたしに抱きついてきた。



「心配させて…」

疲れと安心を含んだ声に胸が高まって苦しくなって、


「ごめんなさい」

冷たい涙が頬を濡らした。

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