秘密のカンケイ
叩かれた左の頬っぺたに手を当てる。
これは優斗の心配、不安だった気持ち、安心の表れ。
だから素直に受け取る。
でもそんなに冷たい声出さなくてもいいじゃん。
背中にジワリと汗をかく。
「なんのって、連絡いれなくて」
「今までどこにいた?」
「…」
口が裂けてもハルのところとは言えない。
気持ちが揺れたけどやっぱり優斗のことが好きって気持ちが固まったなんてまだ言えない。
「こんなに心配かけといてどこにいたかも言えない?それとも言えないとこにいた?」
心配って言葉は嬉しかった。
だけどその後の言葉は図星すぎて反応できない。
ハルのこと今まで拒絶してて、助けてもらってたくさん迷惑かけてきたのに、いきなり仲直り?しましたなんて納得できないよね?
でもわたしの決意は伝えとかなきゃ。
せっかく奏さんや先輩までいるし。
心配してくれてありがとう。
その気持ちだけで今は十分すぎるほど幸せ。
だから、その気持ちのまま、
「ここ、出ていく」
優斗に向かってはにかんだ。