秘密のカンケイ

冷たい言葉に体がピンと伸びる。


悲しいのにでもどこか冷めた感情を覚えるのはやっぱりかって思いがあったから。



でも今さら言った言葉を取り下げられないし、取り下げるつもりもない。

だって、離れなきゃって思いは強かったから。



「ねぇ、出ていくなんて冗談でしょ?」

奏さんがわたしに詰めより、快斗先輩は優斗の後を追ってダイニングに消えていった。


「冗談じゃないよ。本気。」

笑顔で言いたいのに上手く笑顔がつくれなくて顔がひきつるのがわかった。


「さくら…出ていってどこ行くの?」


「一人になりたいの」


「仕事は?」


「続けるよ。だって仕事まで辞めたら優斗とのつながりがなくなっちゃう」

そう言うと、奏さんが「バカね」とわたしの左手をとって両手で包み込んだ。


奏さんの言う通り、わたしはバカだ。

好きなのに離れて、好きなのに怒らせてバカしか考えられない。

だけど離れることはわたしに必要だから。

少しだけ離れて気持ちを落ち着かせてしっかりと好きっていう気持ちを固めて優斗と向き合いたい。

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