秘密のカンケイ

「なんかそわそわしてるね」


「そうなんです!日曜に知り合いが訪ねて来てくれる予定で」


「地元の?」


「いえ、大学からの親友です」


「いいわね。じゃ、のりにのってるとこ悪いけど速達があるの」


「かおりさ~~ん。いいですけど、香織さ~ん」


「なによ。そんな猫なで声だしても知らないから」


「猫なで声ってゲンなり声の間違いですよ」


「まぁいいから、よろしく」


「缶ジュース一本ですよ」


「ジュースってお子ちゃまなんだから」


「いいんです!行ってきまーす」


今日は土曜日だから少し遠くの大きな郵便局に行かなきゃいけない。


少し気温も低くなって吹き付ける風も冷え冷えする。



そんな中、紺のカーディガンを羽織って体を包み込むように体の前で腕を組んだ。





「さむっ」

速達の入った手提げ袋を片手にそそくさと郵便局に向かう。



早く行って早く帰ろう。

体を丸めるように縮こまって足を動かしていく。




「さくら」


突然に呼ばれたけど自分の名前に反射的に振り返った。


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