秘密のカンケイ
膝に手をつき上下に肩を揺らしながら息を整えていく。
手首から地面に向かってだらんてぶさがる手提げも呼吸に合わせて上下左右にユラリと小さく揺れる。
会いたくなかった。
こうなることがわかっていたから。
ほら、今もう優斗の顔が頭から離れない。
優斗でいっぱいになってる。
さっきの優斗の顔が…
大好きなおもちゃを見つけた子どものように目を見開いて、食いしばるように結んだ口元に目を見開いてすこし上がった眉の間に皺を作って…
あの悲しそうで嬉しそうで、でも苦しそうでなんともいえないさっきの優斗の表情が忘れられない。
脳裏にこびりついて、はがれそうにない。
だから、会えなかったのに。
こんな偶然ともいえる再会をこんな形でなんて望んでなかった。
優斗に居場所がバレるなんて…
ダメなのに、ダメなのに、でも…会えて嬉しいって思ってるなんてなんて正直なんだろう。