秘密のカンケイ

仕事だけは終わらせなきゃいけない。

そんな思いだけで息を整え終えてから郵便局まで足をのばした。



正直そんな心境じゃなかったけどこれを郵便局に届けなかっただけで、わたしだけじゃない香織さんも会社のみんなも迷惑する。

自分じゃ責任とれないくらいの損害を与えるかもしれない。

そう思ってるからこの郵便局もちゃんと今日持っていかなきゃいけない。

あそこの人面倒くさがりだから速達頼まれるなんて急ぎの中の急ぎじゃなきゃ頼まない人たちだから。




高音の独特のメロディーが自動ドアが開いたことで鳴る。

やっと終わった。

会社に帰って報告しなきゃ。



でも、一応のメインの仕事が終わったからか頭の中は再びのように優斗でいっぱいだった。


絶対にバレた。

しかも働いてる姿を見られた。


この辺りに住んでるの絶対に気づいたはず。

今回は学会だからこっちに来ただけであって次の日も仕事があるのは分かってる。



だけど仕事の休みのときにこっちに探しに来たらどうしよう。

絶対に怒られる。

ビンタ一発じゃ済まないかも。


ううん、逆にあきれられて愛想つかされたらどうしよう。






自分から離れて、自分から身を隠したのに考えるのは自分の保身ばかり。

どこまでもどこまでも自己中だ。

どこまでもどこまでも自分勝手で我が儘で自分が可愛いんだ。



優斗…

こんな女なんて愛想つかして当然だよね…?


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