秘密のカンケイ

「もうこんな時間じゃん」

テーブルの上のクマの置時計の短針が1を過ぎていた。


優斗の話になるといつも時間を忘れて愚痴を言い合ってる気がする。

でも時間を一度確認してしまうと体は正直なもので気持ちが悪くなるくらいお腹が減ってくる。

もう少しするときっと腸も活動的になって周りに音を響かせてしまうと思う。




「奏さん何食べたい?」


「何でもいいけどおーちゃん起こしたくないから外食以外がいいな」


うん、それに賛成。

せっかく気持ちよく寝てるおーちゃんを起こしてまで食べに出掛けたいわけじゃない。


しかもおーちゃんは根にもつらしく起こされたりしたら不機嫌になってその日あった出来事を色んな人に言うらしい。

何が言いたいかっていうと、もし今起こしちゃったら不機嫌になって今日のことを快斗先輩に言うかもしれない。そこから優斗に伝わるかもしれない。

そもそもおーちゃんが優斗に伝えるかもしれない。


そこから知られたら間違いなく奏さんが問いつめられてしまう。

それはダメだしね。


そっとしておくのが一番なんだよ。

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