秘密のカンケイ

優斗はくしゃっと顔を歪めて苦笑いすると、


「元気だったか?」


そんな普通の質問を穏やかに聞いてきた。

怒鳴られたり、叩かれたりするかもと少し身構えていたからそんな質問をされて少し気が抜けた。


明らかにわたしよりも優斗の方が元気だったのか心配になるような感じだ。

だって、あの頃より痩せたというより窶れた。


外見上あまり変わらないように見えるかもしれないけど、わたしにはわかる。

頬の感じとか瞼とかお肉が少し削られたようにすっきりしてる。



「元気だけが取り柄だから」

そう笑って返すも、優斗は納得したような表情にはならず訝しげな表情になった。

わたしにはそれが本音。


だけど、きっと優斗はもっと違う答えを期待してて、その答えを待ってる。

その答えもわたしは分かってる。


分かってるけど、言えないよ。

だってわたしだから。


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