秘密のカンケイ

「俺は…」


優斗がゆっくりと話始める。



「俺は、突然いなくなってどうしたらいいのかわからなかった」

そう話していく優斗は悲しそうだった。何か思い出すようにゆっくりと言葉を紡ぎだす。



「お前中心で回ってたっていなくなって初めて気づいた。

いなくなって思うのは茜のことなんかじゃなくてさくらのことばかりだった。

どこにいて、何をしてるのか、この2年間そればかり考えてた。

診療してるのにぼーっとしたりして、こんなの初めてだ。


初めてなんだ。

こんなに会えて嬉しいなんて思うのも。

こんなに会いたいってずっと願ってたのも。


会いたかった。


さくら、会いたかったんだ」


こんなに真っ直ぐに伝えてくれたことが嬉しくて、驚きで…

自然と優斗に歩みだす足は止まることなく優斗との距離を縮めていく。


そして、隙間がないほど強く優斗に抱きついた。


今までの時間を埋めるうよに。

今までのすれ違いを取り戻すように。


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