秘密のカンケイ
「待って、睨むの禁止」
そう言って優斗の顔の前に広げた手のひらをすっと出した。
奏さんのせいじゃない。
「わたしが頼んだの」
そうは言っても納得してくれないよね。
わたしだってこの2年間、もしかしたらぽろっと口が滑って言っちゃうんじゃないかって何度思ったか分からない。
奏さんを信じてないわけじゃない。むしろ信じてる。
だけど人間だもの。
わざじゃなくても口をついて出てきてしまったらわたしじゃどうもできないし。
それを奏さんのせいとも思わない。
だから、ホントに奏さんはスゴいと思う。
ホントに2年間守り抜いてくれたから。
そんか奏さんを睨むのは違うと思う。
「そんな優斗を見たくない。奏さんのこと睨まないで」
ここでも2年前と違う。
2年前はこんな強気ではいられないくらい、毎日がギリギリだった。
一生懸命だった。
1人になるとわかってきた。
わたしは誰かに頼りすぎてた。
甘えてた。
この2年間はそんなわたしを成長させるためのものだったとも思える。