秘密のカンケイ

断ると思った。断ってくれるって。

でもアイツはいいって言う。

後には退けなくなってた。

でも身体だけなのにすがりつくようなさくらを可愛いとは思ってた。

でもやっぱり奏のようには思えなくて、罪悪感ばかりが生まれた。

純粋なさくらを汚してしまった。

そんなある日、突然と奏が部屋までやって来た。

何しに来たのか分からなかったけど、今日はさくらが来る日だったんだ。

本能が2人を会わせちゃいけないって叫ぶ。帰れって言っても帰らなくて心臓がバクバク拍動する。

なのに、不運にもインターホンがなり、明るい声で可奈がそれに応える。

通話を切った後の奏の顔にはかげりがあり、きっとさくらだったんだってわかった。 きっとじゃないな。絶対にさくらだってわかった。

苦笑い気味で「女の子が来たよ~」なんて言うもんだから、「だから帰れって言ってんだよ」冷たい声が出てしまった。

しまった、なんて思った時には遅くて、奏は泣きそうな表情になる。

顔を合わせられずそっぽを向く俺と居ずらいためか廊下へと続くドアに向かう奏。

廊下の先にあるものの存在を忘れて自分に嫌気がさしてるときだった。玄関の開く音と共に可奈の明るい声が再び聞こえてきたのは。

さくらの動揺した震えの含んだ声も聞こえる。

なんで出んだよ。

そう思ってももう遅くて二人は出会ってしまった。

すごく居づらそうなさくらと、苦笑いの奏。

奏の考えてることなんてわかんねーけど、3人が同じ空間にいることにこんなにも吐き気にもにた感覚に襲われ狂いそうになる。

そんな時に考えた自分の思いにもうどうしようもないくらいへどが出た。

これが本心なんだと。


“奏にバレた”

俺は…、ちっせぇ男だ。

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