秘密のカンケイ

『まって…!』


縺れそうになる足を一生懸命動かして、転けそうになるのを防ぐ。


『ちょっと…待ってください!いったい、どこ行くんです?』


わたしの腕を掴み、振り返ることもなく引き連れるように歩く快斗先輩の背中に向かって声を上げた。


先輩は普通に歩いてるのかもしれないけど、わたしにしたら早すぎるくらいの歩調で、ついて行くのが精一杯だった。



どうしてこんなことになってるかっていうと、飲み会で一次会の後は二次会があったみたいでみんなはそれにそそくさと行っちゃったんだけど、わたしは、快斗先輩に抜け出すと言われてそのままついてきてしまった。

あぁ~、引きづられてるってのが正しいかも…


でも、どこに行くのかも行ってくれなくて、終始無言のまますたすたと歩く快斗先輩。


いつもは明るい先輩がずっと黙ってるのは何だか不思議でならなかった。


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