秘密のカンケイ
でも、彼女の哀愁漂う表情に、何故かわからないけど罪悪感を覚えた。
先輩との関係がとても悪いことのように、この瞬間、初めて思った。
そんな後ろめたさからか、彼女の横を通り過ぎるときは俯いたままだった。
顔を知られたくなかったからか、それとも…
清らかな彼女と比べて、やけに自分が汚く思えたからか。
分からないけど、その時、本能のままに俯いた気がする。
彼女の横を通り過ぎて、その場からすぐにでも遠ざかりたいと思った。
足は勝手に動く。
もっと、もっと遠くにって頭の中で警笛が鳴る。
気がつけば大学の前で、無我夢中に走ったのだとわかる。
はぁはぁと肩で息をしていて、普段走る習慣がないために、身体全体がスゴく重く感じられた。
もっと、知りたい。
彼女と先輩のこと、もっと知りたい。
その気持ちがより一層強くなって、教室までの間、そのことばかり考えていた。