秘密のカンケイ

彼女が帰ってから、気まずい雰囲気だけが二人の間に漂っていた。


なんて言えばいいのかな?


ベッドの上に胡座をかいて座っている先輩を、床に座っている状態で見上げる。


「先輩…、さっきの……」


“女の人は誰ですか?”、そう続けたかったのに、言葉に詰まったのはわたしの心が弱いから。


先輩の口からどんな関係だと述べられても、きっと傷つくにきまってる。


でも、知りたいと思うのは、きっと、傷つくことを甘く考えているから。


そんなこと100も承知してるのに、先輩の彼女の関係を曖昧なままにしておくことも気になってしまう原因だから、はっきりさせたいって思ってしまう。


「あぁ、アイツ…」


“アイツ”そんな風に優しく言わないでよ。




「アイツは…、幼なじみだよ」


やっぱり、聞くんじゃなかった。


今、どんな表情してるか分かってますか?



彼女を想って、そんな愛しそうな顔しないでください。


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