秘密のカンケイ

女子更衣室に入るとすでに来て着替えている人に挨拶をしてから、わたしも一つのロッカーに荷物を置くと着替え始めた。


「さくら~」


わたしを呼びながらこっちに歩いてくるのは、スイマーの茜。


大学に入って初めて出来た友だちで、お互い一人暮らしだからちょくちょく家を行ったり来たりしているほど仲がいい。


「うん?」


上のパーカーを脱ぐだけで準備万端。


Tシャツと半パンは家から着てきていた。


「わたしね、付き合うことになったの!」


「ふ~ん………って、はぁ!?」


「ふふふ」


嬉しそうに、幸せそうに笑う茜を心底可愛いと思った。


でも…


「そのせいで、何人の男が泣くことやら…」


そう言ったわたしに、意味が分からないとでもいうように頭を傾ける茜。


自分がモテてるのを知らないなんて…。


男たちも大変だ…。


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