秘密のカンケイ

でも先輩はわたしと違って優しい。


だから、泣きたい思いになった。


「どうした?」


シーツの上からでもわかる先輩の大きくて温かい手が頭の上に置かれてる。


優しい声で気づかってくれる。


シーツを首まで下げると頭の上にあった先輩の手はどこかへ行ってしまったけれど、わたしを覗き込むような大勢になっていた先輩と目があった。


自分でもわかるくらい目が熱い。


きっと涙を必死に我慢してるから。


「…さく?」


目があった先輩はわたしをみるなり少し驚いた表情をした。


「お前…」


「先輩…」


そう呼んだとたん、我慢しきれず涙が頬を流れた。


先輩の名を呼ぶだけでこんなにも感情が高ぶる。


先輩を求めて胸が熱くなる。


「さく、どうした?」


「…先輩」


「ん?」


禁句だった。


二人の中でっていうよりも、わたしの中で。


このことを聞いちゃうと今までの自分でいられないような気がしていたから。


でも、聞いてしまった。


ずっと胸につっかえていて、でも言葉には出せないこの思いを。









「今でも…、奏さんが好きですか?」




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