Tear Love



「それでは、席を移動させてくださーい!」

担任の合図で、席が決まって

かなりザワザワしている教室内が

机を動かす音で更にうるさくなった。

あたしも机を移動させて

既に移動が終わって

席に座っている圭くんに

「よろしくね!」と挨拶してみた。

圭くんは「よろしく」と言って

ニコッと笑った。

あたしも席に着くと

学級新聞作りに取りかかった。

あたしは専門部で文化部をしていて

かなり面倒な

学級新聞作りの仕事を任された。


あっ…漢字が分かんないや。

「優華!この漢字分かる?」

「わかんなーい!」

「だよね(笑)」

どうしよう…。

今日中に作らなきゃなのに…。

圭くんなら分かるかな?

「圭くん、この漢字分かる?」

「んー…。ちょっと待っててね!」

と言って圭くんは作りかけの新聞を持って

どこかに行ってしまった。

しばらくして圭くんが戻ってきた。

「はい!先生に聞いたらこの漢字だって!」

書きかけの新聞に

分からなかった漢字が書いてあった。

「えっ、わざわざ先生に
聞きに行ってくれたの?」

「うん♪」

圭くんは文化部でもないのに

そこまでしてくれたの?

「ありがとう!わざわざごめんね!」

「全然いいよ〜♪」








圭くんって…

思ってたより優しい人かも。



.
< 4 / 13 >

この作品をシェア

pagetop