桜舞う月の夜に

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次の日の朝。



隆雅は自分の屋敷に帰って来ており、朝餉をとっていた。



隣には義隆、正面には両親が座ってる。



漬け物に箸を付けた時、父である秀隆(ひでたか)が隆雅を見て口を開いた。



「隆雅、昨晩外に出たようだな」


「…はい」



素直に頷いた隆雅を見て、溜め息をつく秀隆。



母である清子(きよこ)は「あら、まあ」と驚いた表情をする。



「何処に行っていたんだ?」


「さぁ、何処でしょうね」


「お前はいつもいつも私を困らせて楽しいか?」


「父上、私だってもう子供じゃありません。過保護はうんざりです」



秀隆に構わず、隆雅は汁物が入った器を手に取った。



その様子をオロオロしながら見ていたのは義隆。



兄はのんびりと汁物に口を付けていて、父はそんな兄にわなわなと震え、今にも怒りを爆発しそうな様子…。



「ち、父上、そうですよ!兄上はもう子供じゃありませんよ!きっと、何処か女人の所へ通ってるんですよ!」


「ゴホッ!?」



それを耳にした隆雅は噎せた。



兄を庇うはずの義隆だったが、余計なことを言ったしまったようだ。


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