桜舞う月の夜に

桜舞い散る季節。



京の都の桜の花は風に乗り、花びらとなって空へと舞う。



それは風が止むまで何処までも飛んでいく。



だが一片の花びらがある青年の直衣に引っ掛かり、飛ぶのを終えた。



それに気が付いた青年はその花びらをそっと摘み、それをまた風の中に戻した。



再び風に乗って飛んでいく花びら。













何処までも何処までも…―――。


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