ブスの片想い


「……バッカじゃない?!

自惚れんのも、いーかげんにしてよ。

バカ友奈っ!」



涙で掠れた、声。

涙でぐちゃぐちゃな、顔。

唯佳のそういう顔を見たのは初めてで。


唯佳は、いつも

何かしらの仮面を被っていたのに。


初めて見た、仮面の内側は

やっぱり、綺麗な女の子だった。



「バカじゃないの……」

「ばかだし……っ」


口を開いたその瞬間、口にしょっぱいものが入った。





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