キャンバス
恋心
新学期が始まって数十日


桜木陽介は相変わらず

騒がしくて、面白くて、明るくて、子供ぽっくって

見ていて飽きなかった



そして

「なぁ、沙良!」

「ん?陽介どうしたの?」

いつの間にか、お互いに呼び捨てで会話をしていた

「わりぃ、今日1日消しゴム貸してくれ!
2つ持ってるだろう?」

まったく、こういうところが本当に小学生ぽいな

「前に莉香に貸してたの見てたんでしょう?」


「だって、男子で消しゴム2つ持ってるヤツなんてなかなかいないんだよ?」

「分かった、
貸すからちゃんと返してよ」

と言って陽介に消しゴムを貸した


「サンキュー
ちゃんと返すから!」


そう言って彼は自分の席に帰っていった



そんな彼の後ろ姿を見て、

陽介を見てるだけで楽しいと思った


彼はその存在そのもので、私のつまらない毎日をどんどん変えていく

毎日が明るく鮮やかに色づいていた

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