キャンバス
「しょうがないな
今日も貸してあげるよ
それから、普通に言ってくれたらいつでも貸してあげるから」
ガチャ…
私は下駄箱のロッカーを開けながら彼に言った
「ありがとう、沙良!
沙良って優しいー」
「私は優しい人間だよ」
パサッ…
ん?
何かが落ちた気がした
「沙良、何か落ちたけど?」
陽介が落ちたものを拾って私に渡してくれた
「ありがと、メモ紙?」
ガサッ…ガサッ…
『沙良へ
俺は君のことが好きだ
君と付き合いたい
昼休みに屋上で待ってる
1組 長谷川 誠』