キャンバス
屋上に着いた


そこには、腕組みをして長谷川が待っていた


「来てくれたんだ」



長谷川は私に近いてきた



「こんな手紙をもらったからね」

私はくしゃくしゃの状態のメモ紙を見せた



「去年、俺は沙良に一度告って振られた
でも、諦め切れなかった」


彼はまた少し近づいてきた


「ずっとあれから沙良が離れなかった
だからもう一度言う
俺と付き合って?」


「悪いけど今年も断る」

なんたって、名前を見るまで忘れてたしね


「何で?もしかして桜木のことが好きだから?最近よく見かけるよね?」


なんでそこに陽介を出すの?


「陽介は関係ないよ
私はあなたのことが好きじゃないから付き合えないだけ」


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