キャンバス

「おい、長谷川」





ドンッ…ドサッ…





鈍い音が2つ聞こえた


長谷川は倒れていて、驚いた表情をしている




「!」


私の目の前に陽介がいた

しかも、いつの間にか私の体は陽介に支えられていた





「よしっ!沙良、走るぞ!」



「え!?」



そう言って陽介はあれよあれよと私の手首を掴みながら走った



屋上から勢いよく出ていき階段を降りた



明らかに普段走っている陽介の方が足が早い



ただ私は、陽介に着いていけるように全力で走った



今、私は陽介に手首を掴まれている


でも、全然怖くない


いや、なるはずがない



だって…



陽介の事を信じているから



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