One and Only
《1》

1.

「そう……ごめんね、急に電話して。
 うん、別の人あたってみるから。じゃあね」

 そういって受話器を置いた後、思わずため息が出てしまった。
 目の前にはコンサートのチケットが2枚。日付は明日。

「……ライブ終わってから別れればよかったかな……」

 私は大きくのびをし、ベッドに横たわった。
 目を閉じると、ぼんやりとあの時の場面が浮かんでくる。
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