ナツの思い出
「ねぇ、翔?
浴衣…どうかな。」

お祭りへの道を歩きながら
少し緊張した面持ちで私は聞く。



「ん?
どうって…似合ってるよ。」

翔は少し照れくさそうに言った。


「ほんと?
よかった…。」



「俺はどうなの?」

どうなのって…
かっこよすぎなんだよ、
と心の中で呟く。


さすがに口には出せず、

「いい…と思うよ♪」

とだけ言った。


「そ?
ならいいや。

真梨那緊張してる?」

うわ、バレてた。


って馬鹿でも気付くよね。

私かなり固まってるもんね。


「うん、ちょっと…」

言い逃れは出来ないと思って、答える。

ホント、私嘘苦手なんだな…。


「ちょっとじゃなくてかなりに見えるよ?」

私の緊張をほぐしてくれようとしているのか、翔は少し意地悪なことを言う。


「はいっ。
かなり緊張してますっ!」


私がそう正直に言うと、
翔は笑って言った。

「ハハっ。そんなに緊張するなよ。」

「だって…」


そんな話をしている間に
お祭りの会場へつく。
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