ナツの思い出



―花火が始まる。


「わぁー綺麗だね♪」

「だな!」


私達は2人寄り添って
手を繋いでみている。

きっとこの時が一番恋人らしく見えてたと思う。


翔の真剣に花火を見る顔が
また私をドキドキさせた。


「ねぇ翔?」

花火に目を向けながら翔に話しかける。


「ん?」


「来年も一緒に見ようね!」

私は花火の音に
負けないくらいの声で言った。


「当たり前!
約束。
2人で見に来ような。
ずーっと!」

翔も大きな声でそう言った。


「うん!
約束!!」



でも…私が翔と約束したことは
一生叶わないことになるなんて…

あの時は微塵にも
思っていなかった。


ずっと一緒だと思っていた。
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