ナツの思い出
屋台を回り、暗くなって、
みんなで花火を見に行く。



翔と約束したあの花火を。


2人で、来れなかったね。


一緒に、来たかったな。





花火はあの時と変わらず
綺麗だった。


とても…綺麗だった。



私はまた涙を流した。


今までの辛さを洗い流すかのように
泣き続けた。

それでも涙で霞む目で花火を見続けた。



そんな私をみんなは
何も言わずに
見守ってくれていた。



少しだけ前へ進めた気がした。




帰り道、
私はそう思いながら
一歩一歩あの道へと近付く。


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