恋する旅のその先に
そんなことをぐるぐると考えていたら、なぜだか無性に青い屋根を探してみたくなった。
もう1度、視線を眼下に向ける。
ぽつり、ぽつり。
極彩色の風景の中に映える、鮮やかな青。
それはまるで──
──ポツリ、ポツリ
抱えた腕に落ちる涙に似ている。
強くなればこんなことを考えずに済むのだろうか。
でも強いとはどういうことだろうか。
恋の蕾が花咲けば知ることが出来るだろうか。
滲む視界にそれでも青は鮮やかに揺れ、問いかけに物言うことなくただそこにある。
なのにそれを愛しく感じるのは、どうしてだろう。
足下の草をひとつかみ、風のポストに入れ空へと放つ。
数度それはくるくると回ると、青い屋根の方へと舞っていった。
私は少し──歩いてみようと思った。