恋する旅のその先に
話しながら、足を少しだけ、プールにつける。
「俺はね、おまえに幸せになって欲しいんだよ。この俺をフったんだ。幸せにならなきゃ承知しないぞ?」
『……うん』
身体の芯でくすぶるソレを、冷やしてしまうために。
「だからさ。自分にとって1番いい選択をしな。いいか?」
『うん』
あの日の恋が、ここできちんと終わるように。
「よし。じゃぁもしまた何かあったら、いつでも電話してこいな。いつでも、聞いてやることくらいなら出来るから」
『うん……ねぇ』
「ん?」
『ありがとね』
「おう」
『じゃぁね』
「じゃぁな」
──プッ
プーッ プーッ プー……