月と太陽
階段を上がるとそこには部屋がいくつか並んであった。


レオルは通りかかった小間使いの少女に声をかけた。


二人はしばらく話した後、少女はこちらを向きながら「こちらへ」と小さくか細い声でつぶやくと廊下を歩いて行く。


そして、廊下の突き当たる所にある部屋の扉を開けた。


「どうぞ、お入りください」


先ほどと同じように小さい声で少女は言った。


三人が部屋に入るとそこには大きな窓があり、白いカーテンが揺れていた。


窓のそばには大きなベッドが4つ並んでいる。


シーツも布団もとてもきれに整われている。


森での野宿生活との違いにエセルたち三人は目を輝かせた。


ベッドがある事がこんなに嬉しいなんて!


エセルは思った。


顔が自然と三人共にやける。
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