月と太陽
訪ねられたシャインは下を見てうつむいた。


そしてトーンが低い声で言った。


「働いているというよりサウラー様に使えさせてもらっているのです。私は両親が死んで、物乞いをしながらなんとか生きてきました。路上で寝泊まりしている時に
この街の町長である、サウラー様が拾ってくださり以後、この屋敷の小間使いとして仕えています。拾われたのが六歳の時で今が十三ですのでもう七年経ちます」


そう言って、振り返ったシャインは悲しげに微笑んでいた。


エセルは申し訳なさそうに「ごめんなさい」と謝った。
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