月と太陽
レオルが洞窟の前で足を止めた。
そしてエセルたちの方へ振り向くと真剣な表情で言う。
「ここだ。三人とも準備はいいか」
そう言って三人を見渡した。
エセルたちもお互いに見つめ合った。
三人が持っているのは、それぞれの武器(といってもエセルの杖だけ)とフェリアの持っている傷薬用の軟膏や木の実だけだ。
「フェリア、持ち物は武器だけを持って行ってくれ。木の実は私が預かっておく」
レオルが手を差しのばした。
フェリアは小さなカバンに入っている物を手渡した。
レオルはそれを受け取ると自分のポケットの中にしまった。