月と太陽
「それで要するに洞窟に入ればいいんですよね」
サスティンが暗い洞窟をちらっと見ながら言った。
レオルはうなづくと真剣な顔で言う。
「ああ。三人同時に入ってくれ。しばらく奥に進むと道が4つに分かれている。だれがどの道に行ってもいいが必ず一人で行くようにしろ。4つの道は全て一番奥の大きな空洞につながっている。空洞にある水晶に全員がふれれば合格だ」
"全員が合格"という言葉にエセルは硬直した。
試練というものは選ばれた衛兵が受けて合格すると隊長という称号をもらえるのだ。
本来、隊長というのは名誉ある役職だ。
その隊長になるための試練なのだから相当難しいに違いない。
それを三人全員が合格しなければいけないなんて……
エセルは不安があとの二人に伝わらないように森を見た。