月と太陽



エセルは二人と分かれた後、すぐに立ち止まった。


そしていつも持っている杖を自分の顔の前に持ってきて目をつぶりながら呪文を唱えた。


「聖なる杖よ。我の願いのままに姿を変えよ、太陽のように暗闇を照らせ――光[ライト]!」


エセルが言い終わるとキラキラと光る風がゴオッと音をしながら通った。


すると、杖の先の三日月の形をしたものがカッと光り輝いた。


そしてその眩い光が暗闇で染まっている洞窟を照らした。


杖が変換されたのだ。


エセルは杖を前に突き出しながら前へ進んだ。


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